冬の味覚の王様、ズワイガニ。高級なオスは産地によって呼び名が違うだけでなく、実は値段にも微妙な差がある。今季、「松葉ガニ」の産地、鳥取県境港市のカニ加工会社が、新しいブランドを立ち上げた。めざすは、ライバルに引けを取らない評価の確立だ。
深さ180センチ以上の釜からカニかごが持ち上げられると、工場内には一気に湯気が立ち上った。一度に30カゴ、500匹もの松葉ガニをゆでられる鳥取県内最大級の釜だ。均等に火を通せるだけでなく、カニたち自身から出たダシでさらにおいしいゆでガニになるのだという。
「マルツ」は境港でも数少ない自社釜を持つ、創業52年のカニ加工メーカー。水揚げされ、水槽に3日を超えて寝かしたカニは使わない。さらに、ボイルしたその日の午前中には店頭に並べる。2019年には、衛生管理の取り組みを評価するHACCP(ハサップ)の認定を県から受けるなど、品質にこだわってきた。
そんなマルツが昨年11月に発売したのがマルツプレミアムだ。
2%しか名乗らせない「エリート」
甲羅の幅11センチ以上で「…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル